エバのホローコースト6 放送より引用
1986年エバ57歳、ロンドンでアウシュビッツについて語る
一体何を話せばよいのだろうと思いました
どうしてよいのか全くわかりませんでした
パニックになりました
長い沈黙 みんなが見ていました
ようやく私は語り始めました
話はごちゃまぜだったと思うのですが
次第に言葉が出てきました
あのとき何が起こったのか、私はどこにいたのか
延々と語り続けました
語り終えた時
信じられないほどの安堵感に包まれました
みんなが私の周りに集まり
「知らなかった」「質問してもよいですか」と言われました
このとき初めて「私は語ってもよいのだ」と気づいたのです
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2000年以後ドイツでも語るようになった
アウシュビッツ第1強制収容所
130万人ヨーロッパから、110万人虐殺
兄の絵は30枚も遺されていました
どれも悲しい絵です
自由についての絵もあります
小さな鳥が外を眺めています
兄は「もう一度外の世界で羽ばたきたい」と想像していたのかもしれません
ママ、泣かないで。僕は死ななきゃならないの
ママ、泣かないで。天国はよいところだよ
そこでまた会おう
妹は僕と遊びたいのに、僕が死んだらなんと言うだろう
ママ、泣かないで。
アンネは生前に「永遠の命がほしい」と言い、日記を残しました
彼女は永遠の命を手に入れました
肉体はありませんが、世界中の人がアンネを知っています
でも、ハインツのことは誰も知りません
彼もアンネと同じように特別な若者だったのに
質問:信仰はアウシュビッツにいる間、支えになりましたか
神はいませんでした
私は無神論者になりました
神を信じるどころか、すべての人間を信じられなかった
私は不幸な人間になり、誰も信じられなかった
多くの人が「神はあなたを助けた」と言うけれど
「なぜ私を?」と
兄は私よりずっと価値のある人間でした
なぜ神は私を救い、兄を救わなかったのか?
私が生き延びたのは単なる偶然だったと思います
「神が私を守った」とは思いません。フェアでないからです。
お話ができてうれしく思います。
あなたたちはすばらしい聴き手でした。
今日お話ししたことが、あなたたちの将来のため
そして よりよい世界を作るために役立つように願います