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イエスから目を離さないでいなさい。(へブル 12:2)

2017-10-05

希望を捨てたら死ぬ

  エバのホローコースト10  放送より引用(最終回)

ここまでだったと思うわ
ここに電気が流れている鉄条網があったの
あるとき、鉄条網の向こう側を男性が通ったの
男性は上下とも縞模様の格好をしていて
見覚えのある感じがしたの
近づいてみたら「父だ」と分かった

貨物車からおりて「選別」を受けた後
父が殺されたのか生きているのか分からなかった
鉄条網まで近づいていくと 父も立ち止った
「お父さん、お父さん」と呼んだら、
父も「エバ、エバ」と
父はまず「お母さんはどこ?」と尋ねた
私は泣きながら「お母さんがガス室で殺されてしまった」と伝えると
父は崩れ落ちた、それが最後だった
父に事実でないことを伝えて、本当に後悔している

「母が生きている」と知っていたら、父は最後まで諦めなかったと思う
(死んだと聞いて)諦めてしまったのよ
お母さんのせいじゃない
ここでの「体験」は乗り越えることができた
でも大切な人を失った心の傷は決して癒えることはないわ
誰でも別れはあるが

(大切な人が)どんなふうに亡くなったかも分からないなんて
これだけは決して乗り越えられないわ
この場所で、母から直接体験を聞くことができてよかった
過去の出来事が全く違って見えるようになった

これまで母は「心の奥の苦しみ」を抑え込み
誰とも共有しないできました
その苦しみを母と分かち合い「支えられた」という実感を持つことができました
母の素顔をみることができたことで
私から母との距離を縮められるように思います

難民支援
アウシュビッツの後、人々は口々に人々は「悲劇を繰り返してはならない」と言います
私は調和のとれた「平和な世界」が訪れると思っていました
けれども 私はその言葉が嘘だと気付きました
悲惨な出来事が繰り返し起こっています

家族はどうしたの? シリアにいます
これはこどもの言葉、「私の国を思うと心が痛む」
私がアウシュビッツにいた頃は
「希望を捨てたら死んでしまう」とみな知っていました
「希望」を失うと、命まで奪われてしまうのです
難民たちは新しい人生を始めること
平和で調和のとれた世界で子供たちを育てることを望んでいます
彼らは希望を捨てていません

すべてのひとが未来に希望を持てるようにしなければならない